
2017年10月より開催された第45回東京モーターショーのスズキブースで
ひと際注目を集めた「クロスビー」は、
まだモーターショーの興奮覚めやらぬ12月26日に発売されました。
エクステリアは同社が開拓した新ジャンル、
軽自動車クロスオーバー「ハスラー」を彷彿とさせます。
全長3,760mm×全幅1,670mm×全高1,705mmのボディサイズに、
直列3気筒直噴ターボ、「K10C」のエンジンを搭載したコンパクトカー
「クロスビー」の発表当初は、「ハスラー」の登録車バージョンという
市場の声もありましたが、スズキは「全く新しいクルマとして発売」
と発表しました。
ワゴンとSUVを融合させたコンパクトカーとして、スズキはまたしても
新たなジャンルを開拓しました。
「ハスラー」よりもっとアクティブに、そして「もっと遠くに遊びに行こう」
というコンセプトは、ターボエンジンのみのラインナップが
雄弁に物語っています。
2020年の創立から100周年を迎えるスズキの新たな挑戦として、
その象徴的な1台といえます。
●ダウンサイズターボとマイルドハイブリッドを初めてパッケージ
「クロスビー」が搭載する3気筒DOHC 1.0リッターターボエンジンは、
最高出力73kW(99PS)/5500rpm、
最大トルク150Nm(15.3kgm)/1700-4000rpmの「K10C」を搭載しています。
「K10C」は既に、スイフトなどに搭載された
ダウンサイズのターボエンジンです。
今回、同エンジンとマイルドハイブリッドを組み合わせたドライブトレインは、
スズキとして初のパッケージとなっています。

ブースタージェットエンジンと呼ばれる「K10C」を搭載
●スズキのマイルドハイブリッドシステム

ブースタージェットエンジンと呼ばれる「K10C」を搭載
●スズキのマイルドハイブリッドシステム
これまで、スズキはSエネチャージと呼ばれるシステムが
主流となっていました。
Sエネチャージは、ISG(Integrated Starter Generator) と
呼ばれるモーター機能付きの発電機とリチウムイオンバッテリーを
組み合わせたシステムで構成され、回生ブレーキによって生じた
電気をリチウムイオンバッテリーと12Vバッテリーの両方に
充電するというものです。
ここで蓄えた電気をエンジンの再始動や加速時に利用し、
エンジンの負担を軽減、低燃費へと繋げていきました。
その後、スズキは、ISGの最高出力を従来の2.2psから3.1psに、
最大トルクは4.1kg-mから5.1kg-mに向上するとともに、
リチウムイオンバッテリーの容量も従来の3Ahから10Ahとする
新たなシステムを同社のソリオ、スイフトに搭載しました。
これによって、モーターによるクリープ走行を可能とし、
従来10秒程度だったモーターアシストは最長30秒まで拡大しました。
これがスズキのマイルドハイブリッド技術で、
今回の「クロスビー」にも搭載されたシステムです。
注目の燃費は、2WDモデルが「22.0km/L」、4WDモデルは「20.6km/L」
(ともにJC08モード)としています。